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減価償却の車、ローンや中古車への買い替え、売却時の注意点

2017.9.18

車は長期に渡って使用されるものなので、数年に分けて経費化し減価償却するのが基本です。

そこでローンの経費やリースとの違い、車の状態や用途によって計算式が決まる理由、車は新車より中古の方が得なのか、買い替える注意点、売却する場合の注意点などご説明します。

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この記事の目次

減価償却の車、ローンの経費やリースとの違いについて

減価償却費で注意したいのが車です。ローンを組んで車を購入する方も多いと思います。

 

ローンがそのまま経費となるのか、ローンとリースそれぞれの経費計算上の違い、4年ローンで中古車を購入した場合の減価償却費などご説明します。

減価償却の対象になる車、自動車ローンは経費にできるのでしょうか

車を購入する際、自動車ローンを組む方も多いですが、ローンの返済は1円の経費にもなりません。経費にできるのは「支払利息」だけです。元金は経費にならない、利息の部分だけ経費になるということを覚えておきましょう。

減価償却費の車、ローンとリースそれぞれの経費計算上の違いとは

ローンで180万円の新車を購入した場合、定額法に基づいての計算方式は

購入金額÷減価償却期間(新車は6年)×事業割合=1年分の減価償却費
となるので

 

180万円÷6×100%=30万円
となり、1年分の減価償却費は30万円になります。

 

一方リースの場合、毎月2万円ずつ支払っている場合は、月々の支払額×支払っている月数=1年分の経費
よって、2万円×12ヶ月=24万円
となります。

減価償却で中古車を4年ローンで購入した場合

4年以上経過した中古車は耐用年数が2年になります。200万円する中古車を4年ローンで買った場合、年間の支払額は50万円ほどですが、経費には100万円を計上できるなど、1年間に購入費の半分を減価償却費に計上できます。

減価償却は車の状態や用途によって計算式が決まります

車の減価償却費は、車種や用途、年式によって計算式がきまり、その計算式は2つあります。定額法と定率法になるのですが、それぞれどのような計算式となるのでしょうか。また、車の減価償却費のポイントをご紹介します。

減価償却費の車、計算方法の1つ定額法の場合

「定額法」は、「取得価格×定額法の償却率」の計算式で表すもので、自動車を購入した金額を毎年同じ額ずつ費用化していくものとなります。また。「期日中に自動車を取得した場合」は、減価償却費を月割計算する必要がありますのでご注意ください。

減価償却費の車、定率法の計算方法

「定率法」は、減価償却費が一定の割合で減っていく方法です。

 

計算式は「未償却残高×定率法の償却率」となります。定率法を採用する場合は、予め税務署に届出が必要となりまりますのでご注意ください。一般的には、定率法の方が有利と言われています。

減価償却は車種や使い道によって計算式が決まります

自動車の減価償却のポイントは3つ。

 

・車種や使い道によって耐用年数を把握する
・最初の償却率を大きくしたいのなら定率法を採用する
・3年10ヶ月以上の中古車を購入するのなら、定率法を用いて1年で全額償却できる

 

減価償却費は、新車や中古車、何年落ちの車かで計算式も決まってくるのです。

減価償却の面からすると、車は中古の方が得なのでしょうか

減価償却となる車ですが、購入時に新車か中古かで迷うことでしょう。

 

そこで中古車選びのキーポイントや中古車にするメリット、中古車が節税ポイントとなる理由についてご紹介します。節税効果が期待できますのでぜひご覧ください。

減価償却の面で車を中古にする場合は耐用年数がキーポイント

中古車は、新車登録時から何年経っているか、すなわち何年落ちの車なのかが基準となります。

 

・法定耐用年数をすべて経過している場合
法定耐用年数×0,2=耐用年数

 

・法定耐用年数を一部経過している場合
法定耐用年数-(経過年数×0,8)=中古車の耐用年数

 

といった計算方式で表すことができます。

減価償却の仕組みから見た車を中古にするメリット

一般的に有利とされている定率法は、中古車の耐用年数の間で一定の割合で価値を減少させていく償却方法です。この定率法を利用することで、例えば耐用年数2年となる中古車を年度初めに購入した場合、購入費用をすべてその年度の原価償却費に計上できるのです。

減価償却費には節税効果が!新車より〇年落ち中古を

中古車を購入した場合は、新車を購入するよりも1回で多くの金額を費用化することができるので、節税効果があると言えます。

 

中古車を社用車として購入した場合、1年で投資した購入費用を全て回収できますが、新車の場合は6年かけて回収することになります。法人税から見ても、購入1年目で購入費用を引ける○年落ち中古車の方が節税効果があるのです。

減価償却は車の買い替え年が最も多い理由と買い替える注意点

車を買い替えるということは、新しい車の減価償却費も経費としてみることができるので節税対策にもなりますが、単に節税のために買い替える場合は注意が必要です。節税対策になる理由、買い替える注意点、買い替え時の仕訳についてご説明します。

減価償却の車、買い替えた年は大きな節税になります

車を買い替えるということは、新しい車の減価償却費も経費としてみることになります。

減価償却費は初年度から少しずつ減っていくものなので、車を買い替えた年は、新しい車の減価償却費や車の売買損など、もっとも多くの経費を落とすことができる年となり、黒字が減ることで法人税も安くなるのです。

減価償却費の落とし穴、車を買い替える時の注意点

車の買い替えは会社にとって大きな節税対策にもなりますので、会社が儲かって利益が良く出ている会社が、車両を短期間で買い替えるということはよくあることです。

 

ただし、節税のためだけに買い替える場合は注意が必要です。
決算間際に下取り価格が高めの車両を買い替えると、下取り価格を経費からマイナスした結果、利益が出てしまう可能性もあるということを覚えておきましょう。

法律上減価償却である車、買い替えの仕訳について

買い替えるということは、いわば古い資産の売却と新しい資産の購入を同時に行うということです。

 

2つの取引に分けて処理することになりますが、もし2をまとめるのなら、単にこれらを合算すれば済むことになります。
ただ会計処理上、借方と貸方に同じ「現金」という科目もありますので、これを相殺することに注意しなければなりません。

減価償却が終了した車を売却する場合の注意点

減価償却が終わった車を売却する場合、処理方法は個人事業と法人とで異なりますので注意が必要です。車を売却した時の仕訳、売却する際の注意点、高級車を利用して減価償却を行う注意点をご紹介します。

減価償却の車を売却した時の仕訳

個人事業主が社用車を売却した場合は、「事業主貸」や「事業主借」で仕訳することになります。売却損や売却益は、総合課税の譲渡所得に該当します。法人の場合は、売却損や売却益も事業の支出や収入になるため、「固定資産売却損」「固定資産売却益」で仕訳することになります。

減価償却が終わった車を売却した場合の注意点

個人事業で減価償却が終わった自動車を売却した場合、車の売却部分の税金の計算方法が変わります。本業の売り上げと車の売却による収入は税負担が変わることがありますのでご注意ください。

 

法人の場合、車本体は減価償却で既に経費化されています。売却した収入がそのまま利益になるので、本業の収益と合算して法人税を納めることになります。

高級車を利用して減価償却を行う注意点、売却時に売れる車を選ぶ方法も

経営者がよく使う手が「高級車を使用した原価償却」です。

 

特に海外メーカーの車は年数が経っても高く売れる傾向にあるため、節税対策にも向いています。ただし、あまり儲かっていないのにローンを組んで購入すると信用問題に関わりますのでご注意を。
節税目的ならば利益が多くある時期にし、売却時に高く売れる高級車を選ぶなどの方法を取りましょう。

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