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タイムカードの押し忘れ問題・・・その対策法を考えましょう

2017.9.24

勤怠管理の方法としてタイムカードを利用している会社にとって、押し忘れの問題が多いのが悩みなのではないでしょうか?

対策法としておすすめのものはないのでしょうか?タイムカード押し忘れの理由を明記した始末書を書かせるなどペナルティを課す場合の注意点とは?

タイムカード押し忘れ問題を解決するための秘訣をご紹介します。

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この記事の目次

タイムカードの押し忘れ問題・・・その対策法をご紹介します!

タイムカードを導入している会社にとって、押し忘れを無くすことが一番大切なことでしょう。

 

そのための良い対策法はないのでしょうか?他の会社ではどんな方法を採用しているのでしょうか?

タイムカードの押し忘れ対策について考えてみましょう。

タイムカードの押し忘れ対策・・・まずはその社員に確認を!

タイムカードを押し忘れた、と従業員から申告があった場合、当時の状況について確認をとりましょう。

 

出社時に押し忘れた場合は、業務開始時刻前に本人が席についていたか、退社時に押し忘れた場合は業務終了時刻まで勤務していたかについて、他の従業員に確認して本人の申告内容と合っているかどうかをチェックすることが大切です。

タイムカードの押し忘れが多い社員への対策法!

タイムカードの押し忘れが多い社員には、こんな対策をとってみましょう。

 

●周囲の社員へ声かけを依頼する

タイムカードの押し忘れが多い社員に対し、押し忘れをしないように周りの社員から声かけしてもらいましょう。上からしつこく言うよりは、仲間から言ってもらった方が効果があります。

 

●貼り紙

ロッカーや机の上などに「タイムカード必ず打刻!」などと書いて貼らせます。時間が経ってくると慣れてきてしまうこともあるので、定期的に文章を変えるように言いましょう。

ある会社がタイムカード押し忘れ対策のために取った方法

タイムカードの押し忘れ問題はどの会社でも起こっていますが、ある工場ではタイムカードの設置場所を変えることでその件数が減ったと言います。

 

工場系の会社のため、従業員は出勤したらまず着替えのため更衣室へ向かいます。そのため、タイムカードの設置場所を更衣室の前に変えてみると、打刻するようになったそうです。

 

業種によって違うでしょうが、従業員が必ず通過する場所にタイムカードを設置することにより問題解決となる可能性も高いでしょう。

タイムカード押し忘れ対策のために罰則を設けるのは違法?

タイムカードを押し忘れがあまりにも頻繁に起こる場合、罰則を設ける会社もあるようです。

法律的には、就業規則の服務規律違反の項にきちんと記載していれば問題はありません。そして、人事考課に反映させることもできます。

スマートフォンで出勤・退勤が記録できるのでしょうか?

スマートフォンの普及率は年々上がっていますが、スマートフォン用アプリで出勤・退勤を管理できるものもあるようです。

従業員が会社に来るだけで「出勤」、帰るだけで「退勤」が自動で記録されるようになっているといいます。

 

社員が全員スマートフォン保持者であれば適用しても良いかもしれませんが、スマートフォンを忘れた場合の対応策を考える必要があるかもしれません。

タイムカードの押し忘れに対するペナルティについて考えましょう

タイムカードの押し忘れがあまりにも多い場合、ペナルティを課すことを考える場合もあるでしょう。

しかし、その場合は就業規則に明記する必要があります。

 

タイムカードの押し忘れに対するペナルティの考え方について説明します。

タイムカードを押し忘れた従業員に対してペナルティを課しても違法にはならない?

タイムカードの押し忘れが多い従業員に対しペナルティを課す場合、就業規則に必ず明記しておくことが大切です。

就業規則の服務規律の項で「タイムカードを打刻すること。」と明記しましょう。

 

その上で、忘れた場合は服務規律違反で始末書を提出させます。それでも改善がみられない場合は減給制裁をするという手順にしましょう。

減給額については、労働基準法で上限が定められています。その範囲内で行う必要があります。

タイムカード押し忘れのペナルティとして「欠勤扱い」にすることはできません

タイムカード押し忘れのペナルティとして「欠勤扱いとする。」という手段を考えかもしれませんが、実際に働いているのであれば欠勤扱いにすることはできません。

 

ただし、懲戒処分の対象とすることはできます。

経営者として懲戒権を行使するには、就業規則に懲戒事由と懲戒の種類がきちんと定められていること等の条件を満たしていることが必要となります。

タイムカード押し忘れに対し「懲戒処分」のペナルティは過去に判例があります

タイムカードの押し忘れに対するペナルティとして、懲戒処分の対象とすることは過去の判例でも実際に認められています。

 

昭和40年代に起こった事件に対し、懲戒解雇を無効とした判決が差し戻しになったことがあるのです。

しかし、懲戒の程度については慎重に検討した方がよいでしょう。

タイムカードの押し忘れに対するペナルティは全社員に周知徹底を

タイムカードを押し忘れた社員に対するペナルティとして「定時で出社・退社」したものとする会社もあるようですが、これはおすすめできません。

 

なぜなら、こっそり早退する社員が出てくる可能性があるからです。

また、タイムカードの押し忘れに対するペナルティについては、朝礼や文書・メールなどで周知徹底するように努めましょう。あとで「そんな罰則は知らなかった。」という社員が出てこないようにすることも大切です。

会社はタイムカード通りに残業代を支払う必要はありません

会社が従業員の労働時間を管理する方法は、タイムカードだけではありません。タイムカードを導入していない会社だって存在します。その方法は決まっていないのです。

 

そのため、タイムカードの時間がそのまま労働時間とはなりません。

あくまでもタイムカードに打刻される時間は「出社時刻」と「退社時刻」です。そのため、残業代もタイムカードどおりに支払う必要はないとされています。

タイムカードを押し忘れる理由とは?修正する場合の注意点

タイムカードを押し忘れた社員に対し、理由を明記した始末書を書かせる会社も多いようです。

 

また、サークル活動などの理由があってタイムカードを押し忘れたという場合は、会社として修正することができるのでしょうか?

タイムカードの押し忘れの理由と会社としての勤怠管理について考えてみましょう。

タイムカードを押し忘れた社員に対して、理由を明記した始末書を書かせましょう

タイムカード押し忘れに対して、服務規律違反として始末書を書かせる場合は、理由を明記させるように言いましょう。

ある会社ではこのように書かせているようです。

 

《例》

 

(事実)
私は、平成●●年●月●日の出勤時に、タイムカードの打刻を怠ってしまいました。

 

(理由)

いつもの時間よりも家を出発するのが遅れてしまい、焦っていました。そのことにより、タイムカードを押すことを忘れてしまいました。

 

(反省)

従業員として、タイムカードの打刻を忘れたことを反省しております。

 

(対策)

二度とこのようなことが起こらないよう、今後は時間にゆとりを持って行動するように注意します。

タイムカード押し忘れ・・・いかなる理由があっても修正する場合は承認が必要

タイムカードの修正は、どんな理由があるにせよトップの承認印をもらうなど慎重に取り扱う必要があります。労働基準監督署の調査の際、労働時間を示すタイムカードは証拠となり、修正されたところはチェックされることになるからです。

 

会社によっては、就業時間後にサークル活動を行っているところもありますが、通常その場合はタイムカードを押してから参加するようになっています。しかし、その押し忘れが多く発生しているようです。

 

押し忘れの場合は手書き修正で対応している会社もあるようですが、たとえ理由がわかっているにしてもタイムカードを修正する場合は責任者が承認するようにしましょう。

タイムカードの押し忘れがどんな理由であっても、事業主は労働時間を管理しなければなりません

タイムカードの打刻は、従業員が出勤した時に自ら行うことです。仕事の一部と言ってもいいかもしれません。しかし、事業主には従業員の労働時間の管理・把握の義務があります。

 

例え従業員がなんらかの理由でタイムカードを押し忘れたとしても、実際に働いているのであれば事業主は他の方法で労働時間を管理・把握する必要があります。

エクセルによる勤怠管理はタイムカードよりも問題があるのでしょうか?

タイムカードではなくエクセルで出退勤のデータを管理する方法を採用している会社もあるようですが、これも問題があるようです。

 

毎月申請日になると、従業員がそれぞれの出退勤のデータをエクセルで集計して直属の上司へ提出し、承認をもらってから人事部へ申請するという方法です。

 

しかし、転記ミスが起こったり、手作業のために効率が悪くなってしまうなど生産性が低下してしまうというデメリットが発生してしまうようです。

問題となっている残業代の未払い・・・その罰則とは?

労働基準監督署の調査でもチェックが厳しくなっている残業時間。

 

経営者が残業代の支払いを逃れたいがために、タイムカードを改ざんして残業の記録を消していることが問題となっていますが、残業代未払いに対する罰則は労働基準法等に記載されています。

6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金、さらに未払い残業代の2倍の金額を支払わなくてはいけない可能性もあります。

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