解雇予告通知書の基礎知識、口頭ではなく書面で通知する重要性
2017.9.24
会社側の都合により労働者を解雇する場合もあるでしょう。
その際は解雇予告通知書が必要となりますが、トラブルを避けるためにも様々な点に注意しなければなりません。
解雇予告通知書の意味や内容、郵送する場合の注意点、解雇予告通知は何日前から必要か、口頭で行う危険性、ひな形を利用する際のポイントなどご説明します。
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この記事の目次
解雇予告通知書の意味や内容、郵送する場合の注意点
解雇予告通知書をやむを得ず社員に渡さなければならないこともあるでしょう。
それは会社の営業不振が理由かもしれません。いずれにしても、解雇予告通知書を作成する場合には、いくつかポイントがありますので注意しましょう。
解雇予告通知書の意味と郵送方法
解雇予告通知書とは文字通り、雇用する側が労働者に対し解雇することを通知する書類のことで、とても重要な書類となっています。
解雇通知書には、解雇する日時や解雇理由などを記載し、解雇の30日以上前に通知します。重要書類となるので、普通郵便ではなく「配達証明付内容証明郵便」で送るのが一般的です。解雇通知書も同じ意味をもちますが、即日解雇の場合に使用します。
解雇予告通知書を活用して退職を促すには
解雇予告通知書には、
・対象者の氏名
・解雇する日
・解雇する理由
・解雇予告通知日
・会社名、代表者氏名
を記載し、必ず書面で通知します。
解雇予告をすることで、会社都合による退職をスムーズに行うことができます。
解雇通知書の内容、事業縮小による解雇の場合
業績不振や事業縮小によって社員を解雇する場合は、会社都合による解雇に当たりますので、解雇理由にもそれらを明記し通知しなければなりません。
・経営が悪化し、人員整理が必要となったため
・長年の営業不振により、○○部門を縮小を余儀なくされたため
・○○支店を閉鎖し、関西の営業拠点を統合するため
など、人員整理の必要性があったことを記載します。
解雇予告通知は何日前から必要か、即日解雇する場合の手当について
解雇予告通知は何日前から必要なのかを把握しておくことが大切です。
また、予告なしで即日解雇する場合は、「解雇予告手当」を支払わなければなりませんのでご注意ください。解雇予告手当の計算方法、アルバイトの解雇予告通知についてもご説明します。
解雇予告通知は何日前から必要でしょうか
解雇予告通知は先ほども記述したように、原則「解雇日の30日以上前に予告すること」が労働基準法によって決められています。30日以上前までに予告し、解雇日まで働いてもらうよう書面で通知します。記入漏れがないよう注意しましょう。
解雇予告通知なしで即日解雇する場合は何日前まで日割り計算するのでしょうか
予告なしで即日解雇する場合は、本来予告として通知する期間の30日分以上の平均賃金を「解雇予告手当」として支払う義務があります。
もし30日に満たない場合は、その日数によって手当を支払わなければなりません。そして解雇と同時に手当を渡します。
平均賃金×(30日-解雇予告から解雇までの日数)
解雇予告通知はバイトだと何日前に必要なのか、対象外の人とは
解雇予告通知は正規社員だけではなく、アルバイトやパートも含めたすべての労働者に適用されるものとされているので、30日以上前に予告しましょう。
ただし、
・試用期間中の人
・日雇い労働者
・季節労働者で4ヶ月以内の期間を定めて雇われている人
は対象外になります。
解雇通知を口頭で行うのはトラブルの元になります
「お前は今日からクビだ!」つい感情的になって口頭で解雇通知する場合もあるかもしれません。
確かに法律上は口頭でも構わないようですが、それはトラブルの元でしかありません。ただし、解雇予告が口頭や書面もいらないケースもありますのでご確認ください。
解雇予告は通知書として送り口頭は避けましょう
法律上、解雇予告は口頭でも書面でも構わないとされています。口頭で解雇を言い渡しても効力はありますが、通知の有無や紛争に発展した場合を考え、口頭ではなく書面で通知する方が安心です。
解雇予告通知書は受け取ったことを証明するためにも、手渡しではなく内容証明郵便を使いましょう。
解雇通知を口頭で行うのはトラブルの元
感情的になり、口頭で解雇を言い渡すこともあるかもしれません。
しかし、もしその声が録音でもされていたとしたら相手の思うツボですし、口頭で通知してしまうと「言った言わない」といったトラブルになりかねません。会社側が労働者を解雇するという事実を証明するためにも、解雇通知書を交付しましょう。
即日解雇!解雇予告通知が口頭や書面でもいらないケース
解雇予告をしなくてもいいのは、試用期間中の人や日雇い労働者などの短期雇用労働者だけでなく、天災によって事業の継続が不可能になった場合や、窃盗や横領、経歴詐称など、「労働者の責に帰すべき事由」に該当した場合は解雇予告をしなくてもいいとされています。
解雇予告通知を書面にする際は解雇理由に注意
解雇予告通知の書面には解雇する理由を明記しますが、社会一般的に見て誰もが納得する理由でなければなりません。また、最近は外国人労働者も増えてきましたが、外国人労働者を解雇する際の注意点についてもご説明します。
解雇予告通知を書面にする際の注意点
解雇予告通知を書面にする時に注意したいのが、解雇理由です。
営業成績が上がらない、ミスが多い、髪型や服装がだらしないなどの理由だけで解雇することはできません。解雇理由が就業規則や労働契約書の要件に合致することが大切です。
解雇通知の書面には納得が得られる内容を明記しましょう
能力不足や適性能力が欠けているなどの理由によって解雇するケースも実はよくあります。しかしいずれにしても、客観的で具体的な証拠がなければトラブルになり、法律上問題となりますので注意が必要です。
会社は、従業員の能力不足を改善するために努力し、雇用を継続しようと努力した姿勢を見せ、それでも社会一般的に解雇せざる負えない誰もが納得できる証拠を揃えなければなりません。
外国人労働者を解雇する際の通知と書面の必要性
外国人を解雇する際の手続きは、基本的には日本人と同様の手続きで構いません。帰国を勧める場合は、社員の解雇理由を入国管理局に書面で知らせる必要もあります。
多くの外国人労働者は、母国に資金援助をしているため、少しでも日本でお金を稼ごうと必死ですし、仕事を辞めてしまった後、新たに仕事を見つけるのも困難です。
解雇する場合はできるだけ早めに伝えましょう。
解雇通知書でひな形を利用する際のチェックポイント
解雇通知書などの書面を作成する場合は、どんな書式にすればいいのか悩むものです。その場合は「ひな形」を利用すると便利ですが、決まった書式はないので、ひな形を参考にしながら会社独自で作成するといいでしょう。文例と合わせてご説明します。
解雇通知書でひな形を利用する際のチェックポイント
「ひな形」というのは、繰り返しできる定型型書式のことを言います。
解雇通知書や解雇予告通知書の書き方に困ると思いますが、その際は「ひな形」を利用すると便利です。
解雇通知書では決まった様式や書式はないので、様々な様式のひな形を参考にしながら、必要な事項だけを会社が記載することになります。
その際は、法律上の解雇禁止事項に該当しないか、また解雇理由が就業規則に合致しているのかなどを確認することが大切です。
解雇通知書はひな形を使わず詳しく理由書を作成する方がいい場合も
解雇通知書をひな形を利用し作成することが多いと思いますが、ひな形を利用して簡潔にまとめて通知するのではなく、内容を何枚にもわたり詳細に記載にする方がいいという意見もあります。
それは、会社側の主張を外部機関に伝えることができる他、もし裁判になったとしても、問題社員の基本情報や解雇に至るまでの経緯を詳細に残すことで、後付けで都合の良いことを並べている訳ではないということを証明できるからです。
解雇予告通知書のひな形の文例
解雇予告通知書の文例をご紹介します。このひな形を参考に、あとは必要事項を明記するといいでしょう。
「当社は貴殿を○○支店の○○部勤務として雇用しておりますが、誠に不本意ではありますが、度重なる無断欠勤、また当社の出勤勧告にも応じず○日間無断欠勤するなどしたため、就業規則第○条第○項の規定に基づき、あなたを平成○年○月○日付をもって解雇致しますのでその旨予告します。」
問題社員が今に至るまでの経緯や会社の指導経緯など、解雇に至る根拠を明記します。
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