誰にも聞けない中小企業経営者の叫び

誰にも聞けない中小企業経営者の叫び│社長のお悩み相談所

青色申告で納付する消費税の計算方法について解説!

2017.10.14

消費税課税事業者となれば青色申告の時に消費税を納付することになりますが、その計算方法は2通りあります。

では、どちらの方がメリットが多いのでしょうか?もし赤字だった場合は消費税の還付を受けることができるのでしょうか?

消費税は経費に計上可能?消費税の計算方法の注意点から会計処理の方法まで詳しく説明します。

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青色申告の消費税額の計算方法について

青色申告で確定申告を行っている場合、消費税課税事業者となれば消費税も納付しなくてはいけません。

その場合はどのように計算するのでしょうか?

消費税額の基本的な計算方法について具体例を用いて詳しく説明します。

青色申告の消費税の納税額の計算方法について

1年間の消費税の納税額の計算方法は2種類あります。

 

《一般課税(本則課税)》

(課税売上高×消費税率)-(課税仕入高×消費税率)で求めます。

 

《簡易課税》

(課税売上高×消費税率)-(課税売上高×消費税率×みなし仕入率)で求めます。

 

課税売上高が5,000万円以下の事業者のみが簡易課税の適用を受けられます。その場合は期日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出しなければなりません。

青色申告の消費税の基本的な計算方法例

消費税は、売上時に受け取った消費税をすべて納税するわけではありません。仕入れや経費等で支払った消費税を差し引いた金額を納付することになります(一般課税の場合)。

 

《例》

材料  20,000円で仕入れ(税込21,600円)

商品としての販売額   25,000円(税込27,000円)

 

商品を販売した時にお客様から2,000円の消費税を預かていることになりますが、仕入れの時に消費税1,600円を支払っているので、納税額はその差額の400円となります。

青色申告で納税する消費税(税込経理の場合)の計算方法

消費税の納税額についてさらに詳しく見ていきましょう。

 

《例》

課税取引 3,240万円
仕入高(課税) 1,296万円
人件費(不課税) 800万円
経費 (課税)  540万円
経費 (非課税) 10万円
差引き利益   594万円

上記の場合の預かり消費税  240万円
上記の場合の支払消費税   136万円

消費税納税額

240万円-136万円=104万円となります。

消費税額の記帳方法について

消費税額を記帳する場合、先ほど計算した「税込方式」と「税抜方式」があります。

税込方式の方が記帳に手間はかかりませんが、税抜方式の方が所得や消耗品費の判定の際に有利になると言われています。

自分自身に合う記帳方法を選択しましょう。

消費税は赤字であっても納付しなくてはいけない?

消費税は開業してから2年間は免除され、納付の時期は3月となっています。

所得税は、赤字の場合所得が0円となるため納付しませんが、消費税については赤字であっても売上が1,000万円を超えている場合は納付しなくてはいけません。

青色申告で消費税の還付を受けられる場合について

青色申告で消費税を納付している場合、還付を受けられる可能性もあります。

しかし「一般課税(本則課税)」を利用していなくてはなりません。

実際に消費税が還付されるのはどんな場合なのでしょうか?具体的に説明します。

青色申告で消費税が還付される可能性があるのは「一般課税(本則課税)」

消費税の2つの計算方法のうち、消費税が還付される可能性があるのは「一般課税(本則課税)」です。

 

例えば、設備投資にお金がかかった場合や消費税のかからない輸出取引をした場合、簡易課税では支払い金額にかかわらず「みなし仕入率」を使用して計算しますが、一般課税であれば実際に支払った額となるので、消費税が還付される可能性が高くなります。

個人事業を始めたばかりでも、青色申告で消費税が還付される場合

個人事業を開始して6か月間の売上が1,000万円を超えていなくても、最初から消費税課税事業者を選択した方がよい場合もあります。

 

先ほど説明した多額の設備投資をした場合もそうですが、売上よりも仕入れや経費を多く支出した場合も消費税の還付を受けられる可能性があるからです。

青色申告で赤字の場合も消費税は還付される?

前項の計算方法例でも説明しましたが、課税事業者になれば仕入れにかかった消費税は控除することができます。そのため、仕入れで支払った消費税が納付した消費税よりも多かった場合は還付されるというしくみです。

赤字の場合であっても消費税は支払わなくてはいけませんが、還付を受けることができる場合もあります。

消費税を納付できなかった場合のペナルティについて

消費税を納付期限までに納めることができない場合、それから2カ月以内に税務署から督促状が届くことになります。さらに、督促状が届いても10日以内に支払わないと「差し押さえ」の可能性もあります。

万が一督促状が届き、どうしても期限までに支払えないという時は、税務署に相談しましょう。

アパートなどを経営している場合でも消費税の還付を受けることができる?

アパートやマンションを経営している場合、順調であれば消費税を納めるケースの方が多いでしょう。

しかし、新しい物件を購入・建築したり、設備投資等の出費が大きくなった場合は消費税が還付される可能があります。

 

消費税の還付を受けられるのは、一般課税方式を使って計算している課税事業者のみです。簡易課税方式を使っている場合は、課税期間の開始日の前日までに届出をし、一般課税に戻っておきましょう。

青色申告で消費税を納付した場合は経費になる?

青色申告で確定申告をし、消費税を納税した場合について考えてみましょう。

この場合の消費税は「経費」として計上することはできるのでしょうか?経理上、消費税はどのように処理するのでしょうか?

青色申告で納付した消費税の会計処理方法について説明します。

青色申告で納付した消費税は必要経費として計上可能?

消費税の会計処理には「税込処理」と「税抜処理」の2つの方法があります。

青色申告で納付した消費税は、税込処理をしている場合は租税公課として必要経費になります。

 

税抜処理をしている場合、受け取った消費税は「仮受消費税」、支払った消費税は「仮払消費税」として計上されるため、損益計算には影響ありません。

また、免税事業者は自動的に税込処理しか選べないようになっています。

青色申告で消費税以外に経費にできるものとは?

消費税以外にも経費として計上できる税金等があります。

それは「事業税」「固定資産税」「酒税」「特別地方消費税」「修正申告により納付すべき還付加算金」などです。

罰金等は基本的に経費には計上できません。

青色申告で課税事業者となった場合の経費としての消費税(個人事業主の場合)

個人事業主の場合、前々年の課税売上高が1,000万円以下(税込)の場合は免税事業者となります。消費税の差額が発生したとしても、支払う必要はありません。

 

課税事業者となれば経費に計上することはできますが、事業のお金で支払った場合の会計処理は「事業主貸」になります。

消費税の会計処理方法について

消費税の会計処理方法について説明します。

 

《例》消費税8%で10,000円の仕入れ(消費税800円)をした場合

 

〇税込処理での仕入れ時

借方 仕入  10,800円  貸方 買掛金  10,800円

 

〇税抜処理での仕入れ時

借方 仕入  10,000円   貸方 買掛金  10,800円
仮払消費税等 800円

個人事業主が忘れがちな経費とは?

〇通信費

固定電話や携帯電話代も含めることができますが、事業とプライベートで共有している場合は事業按分します。

例えば、携帯電話代を5万円利用していて、1日のうち仕事が6割、プライべートが4割の場合は事業3万円、プライべート2万円と按分します。

 

〇接待交際費

冠婚葬祭で支払った費用は「慶弔費」となります。寄付金は「寄付金控除」もあり、特定寄付金として認定されている場合は経費ではなく、控除となります。

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