消費税の還付申告に必要な明細書の書き方の注意点を教えます!
2017.10.5
消費税の還付申告を行う場合、「消費税の還付申告に関する明細書」の添付が義務化されました。
以前よりもさらに細かい記入が必要と言われていますが、どんな内容になっているのでしょうか?理由にはどんなことを記載すればよいのでしょうか?
消費税の還付申告に必要な明細書の書き方から中間納付後~還付までの流れについて詳しく説明します。
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消費税の還付申告を行う場合は明細書の添付が必要です
消費税の還付申告を行う場合、以前より明細書の添付が必要でしたが、その内容が大きく変わりました。
「消費税の還付申告に関する明細書」と名称も変わりましたが、どんなことを記載しなければならないのでしょうか?
消費税の還付申告を行う場合に必要な明細書の詳細について説明します。
消費税の還付申告で明細書の添付が義務化!その詳細とは?
消費税の還付申告を行う場合、従来であれば「仕入税額控除に関する明細書」を添付していましたが、平成24年4月1日以降提出分より「消費税の還付申告に関する明細書」の添付が義務化されました。
「課税売上等に係る事項」や「課税仕入れに係る事項」について、かなり詳しく記載する必要があります。
消費税の還付申告に関する明細書(個人事業者用)について
明細書は1~4まで記載する事項があります。
まず「課税期間」「住所・氏名」を記載する欄があり、そのあと「還付申告となった主な理由」「課税売上等に係る事項」「課税仕入れに係る事項」「特殊事項」と分かれています。
例えば「課税売上等に係る事項」では、当該課税期間中の課税資産の譲渡等のうち、税抜価額が100万円以上のものについて上位5位まで記載しなくてはならない、となっています。
消費税の還付申告に関する明細書は確定申告書等作成コーナーで入力できます
入力する際には、注意点があります。
還付の理由がその他の場合、60文字以内で入力することになります。
「主な課税資産の譲渡等」のうち、税抜価額の取引金額が100万円以上のものについては上位5番目まで入力することになっています。入力が終わったら「入力終了(次へ)」をクリックし、他の事項の入力へ進みます。
「特殊事項」については、200文字以内で入力します。
消費税の還付申告は確定申告期限内に行いましょう
確定申告の期限を過ぎてからでも、消費税の還付申告を行うことはできます。
しかし期間を過ぎてしまうと、税務署による申告書のチェックが厳しくなると言われています。これは確定申告期間中よりも空いているためとも考えられます。
納税の場合だけではなく、還付の場合も税務署署員による厳しい調査で修正申告を求められるケースもあります。
消費税の還付申告で明細書の添付が義務化されたのは、不正還付が原因?
消費税は、課税売上にかかる消費税(預かった消費税)から、課税仕入れにかかる消費是ぢ(支払った消費税)を引いて納付するというしくみになっています。
しかし景気悪化により、このしくみを悪用し、不正に消費税を還付しようとするケースが多くなっています。例えば、人件費は非課税となっていますが、この人件費を派遣とし課税仕入れにするというやり方です。
その防止のために不正還付の厳罰化も決まりましたが、明細書の添付の義務化もその一環です。
消費税の還付申告の申請には、正当な理由が必要です
消費税の還付申告の明細書には「主な理由」という項目があります。
そこにはどんな理由を記入すればいいのでしょうか?その書き方は?
消費税の還付申告を申請する場合に必要な「理由」の記入方法について説明します。
消費税の還付申告を申請する明細書には、正当な理由の記載が必要です
消費税の還付申告を行う明細書の項目の中に「主な理由」があります。
選択肢は「固定資産の購入」と「仕入金額・経費の増加」があり、その2つ以外の理由の場合は「その他」に記載しなければいけません。
理由があいまい、又はその他の場合でも空欄になっていると、税務署から厳しいチェックを受ける可能性もあります。
消費税の還付申告に添付する明細書に記載する理由の例
消費税の還付を受けることになった理由の例は、以下のようなものがあげられます。
〇過剰な仕入れ
〇輸出等の免税取引の割合が高い
〇年度をまたいだ大量の在庫
還付金は、申告後約1カ月~1カ月半で支払われるようです。金融機関への振込又は郵便局で受け取るかのどちらかの方法になります。
消費税の還付申告の理由が「設備投資」だった場合の計算例
《例》
小売業(第2種)・原則課税の場合
売上金額 税込み2,160万円(預かった消費税160万円)
仕入金額 税込み1,620万円(支払った消費税120万円)
設備投資 税込み 864万円(支払った消費税 64万円)
預かった消費税(160万円)-支払った消費税(184万円)=-24万円 となり、24万円が還付されることになります。
消費税の課税事業者と免税事業者の決め方は?
課税事業者なのか免税事業者なのかは、課税売上高によって決まります。
それは、基準期間(個人事業者の場合は前々年)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかです。
たたし法人の場合、資本金が1,000万円以上で基準期間がない事業年度に関しては、課税事業者となります。
消費税の計算方法「簡易課税方式」とは?
消費税の計算方式には「原則課税」と「簡易課税」があります。
「簡易課税」は、「支払った消費税」の計算をせず、「預かった消費税」に一定の率(みなし仕入れ率)をかけて計算した額を「支払った消費税」とみなすものです。
「簡易課税」を一度選択すると、2年間適用することになっています。
消費税の還付申告で、中間納付で支払い過ぎた税額分が戻ってきます
消費税にも中間申告がありますが、還付申告を行うことで中間納付で支払い過ぎた分は戻ってきます。
では予定申告と仮決算、どちらの方式で中間納付をしても還付されるのでしょうか?
消費税の中間納付~還付申告までの流れについて説明します。
消費税の還付申告・・・その前に中間納付が必要です
消費税の課税事業者は、前年の消費税額に応じて、中間申告・中間納付をしなければなりません。そして、中間申告で納税した分を「中間納付税額」といい、確定申告で必要な年間の消費税額を「年税額」といいます。
年税額から中間納付税額を引いた金額が確定申告で納税する額となりますが、この税額が「確定税額」となります。
中間納付で払いすぎた消費税は、確定申告の還付申告で戻ってきますか?
消費税の中間申告の方法は、法人税同様「予定申告」と「仮決算」があります。
予定申告で中間納付をした後、業績が悪化した場合や多額の設備投資をした場合には、年税額が減少する可能性があります。その払いすぎた税額分は確定申告で還付申告することによって戻ってきます。
仮決算の場合も同じです。仮決算で中間納付をした後で突然業績が悪化したなどの理由により、年税額が中間納付税額を上回った場合は還付されます。
消費税の中間納付をせず、還付申告を行う方法はありますか?
消費税の計算期間を短縮することができる「課税期間の短縮制度」というものがあります。
これは「中間申告制度」とは違い、課税期間を1か月ごと、3か月ごとなど短縮できる制度で、それぞれの課税期間ごとに消費税の還付を受けれます。
多額な設備投資を行った場合、課税期間の短縮制度を利用することによって、早めに消費税の還付申告を行うことが可能となります。
消費税の中間納付の期限とは?
消費税の中間申告書の提出を忘れてしまったとしても、予定申告方式で送付される納付書の税額で消費税の中間納付を行えば、問題はありません。
消費税の中間納付は、中間申告の対象となっている課税期間の末日の翌日から2カ月以内が納付期限となっています。
消費税の還付加算金の勘定科目は?
消費税の還付を受けた場合、還付加算金も一緒に支払われます。
この還付加算金は利息的なものですが、会計上の処理は「受取利息」ではなく、営業外収益として「雑収入」に計上します。
その理由は、還付加算金は消費税の不課税取引、受取利息は非課税取引に該当するためです。
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