誰にも聞けない中小企業経営者の叫び

誰にも聞けない中小企業経営者の叫び│社長のお悩み相談所

資産と費用の違いやその関係性を正しく理解する

2017.10.8

資産と費用は共通点もあることから、仕訳をする際に迷ったり間違えで処理してしまう事もあります。
資産の定義や費用計上すべき支出などの会計処理ポイント、資産と費用の違いや見分け方、資産と費用の密接な関係から見る仕訳ポイントなど、資産と費用についてまとめてみました。

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資産の定義や費用計上すべき支出など会計処理のポイント

何かを購入した際、それが資産になるのか費用にあたるのか迷ったり、間違えて処理してしまうこともあります。

 

従業員は資産か費用になるのか、資産計上すべきものを間違えて費用処理してしまった場合、資産の定義と過去に支出した費用との関係など、会計上の資産と費用についてまとめました。

従業員は資産か費用になるのか

社員は会社に属するので資産のように感じますが、月給も賞与も会計上は費用になりますので、社員も会計処理上は費用科目に分類されます。人という資産をリース購入し費用を分割して支払う、ということに言い換えることができます。

資産計上すべきものを間違えて費用処理してしまった場合は

間違えてしまった場合は、前年度分の修正申告し、そのあとで今年度の帳簿への資産を受け入れることになります。

 

個人事業主の場合は、本年度の帳簿に前年度の未償却残高相当額を車両運搬/事業主借勘定にて受け入れた後、正規の減価償却額を計算し計上します。

資産の定義と過去に支出した費用との関係

資産と聞くと土地や現金のようなものだけと認識しがちですが、会計上はそれだけでなく、たとえ過去支出した費用であっても将来何かしら期待できるものや、コピー機などのリースであっても専属的に利用できる契約を持っているものは資産として計上されます。

資産計上できる支出と費用計上すべき支出について

固定資産としたものを後で修理したり追加工事を行うこともありますが、たとえ修理やメンテナンスであっても、内容や金額によっては「修繕費」や「減価償却費」として計上しなければならないケースがあります。ご注意ください。

固定資産税を毎年費用化することについて

固定資産を取得した時には費用になりませんが、固定資産は長く使うことにより収益を獲得していきます。そこで毎年費用化していく原価償却という方法で計上していこうとなるのです。減価償却の方法は、定額法と定率法の2つあります。

迷ってしまう資産と費用の違い、その見分け方について

これは資産になるのか、それとも費用になるのか・・・どの扱いになるのか迷ってしまう場合が多々あります。事務所を借りた場合の敷金は資産か費用か、繰延資産と前払費用の違いなど、資産と費用の違いや共通点についてまとめました。

事務所を借りた場合の敷金は資産か費用か、2つの違いに注意

事務所を借りる場合に敷金が発生すると思いますが、賃貸不動産契約時に支払う敷金は、費用ではなく資産として扱います。

 

敷金は修繕費用として一時的に預けたものなので戻ってくる可能性がありますので、費用ではなく資産に区分し、勘定科目も「敷金」となります。ちなみに保証金も敷金と同じく返却される可能性があるお金になりますので、資産となります。

資産と費用の違いを大雑把に考えると

資産と費用の違いがわからず混乱しがちですが、大雑把に言うと、資産は価値が持続するもの、費用は価値がすぐに消えるものになります。

 

交通費やコピー用紙などは使ったらすぐになくなくなるので「費用」、土地などは使用年数に関わらず価値は持続するので「資産」になるのです。

繰延資産と前払費用の違い、見分け方について

繰延資産と前払費用の違いにも迷ってしまいますが、既に支払い義務が過ぎて返金が確実に無いものが「繰延資産」、前払家賃やリース料など、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける際、まだ提供されていない役務に対して支払われた対価を「前払費用」と言います。

 

一言で言えば、「未経過分の返金が確実に無いのが繰延資金」です。
ちなみに、契約前に支払う費用は前払金になります。

繰延資産と長期前払費用の違いではなく共通点とは

2つに共通して言えること。それは、両方ともお金を既に支払っているということ、そして提供されたものの効果が見込まれる期間が来年、再来年と将来にまで続くということです。

 

将来の費用とするために、支払ったお金を長期に渡り計上されるという点、来年以降の売り上げに貢献するという点で共通します。

繰延資産と前払費用、2つの大きな違いと必要経費の考え方

繰延資産と前払費用の2つの大きな違いは「サービスの提供を既に受けたかどうか」です。前払費用はサービスの提供を受けませんが、繰延資産は固定資産と同じような性格を持っているため、お金を支払った時点で当年分のサービスを受けることになります。

 

前払費用は原則として必要経費にできませんが、繰延資産は20万円未満であれば全額を当年の必要経費として計上することができます。

資産と費用の密接な関係から見る仕訳ポイント

資産と費用は性格上にている関係から、仕訳をする際に混乱しがちです。そしてこの2つの関係性を悪用し、不祥事を起こす企業もあります。何が資産で費用になるのか、その関係を正しく理解し仕訳することが大切です。

資産と費用の関係は似ているため同じように見えてしまう

これまで述べてきたように、資産と費用はいずれも仕訳で借方に計上されるなど、共通点がいくつかあるため同じように見えてしまいます。

 

資産には費用性資産という分類方法もあります。これは、将来費用として処理されるものをいったん資産として計上するものです。そのため同じように見えてしまうのかもしれません。

資産と費用の密室な関係とは

費用は目に見えない資産でもあります。

 

例えば研究開発費は「無形固定資産」開業費は「繰延資産」となるなど、一見すると費用に分類されると感じるものが「資産」として記載されることもあります。また、商品という資産であっても、販売された決算時に売上原価として費用に変わってしまうこともあります。

資産と費用の関係を悪用し不祥事を起こす企業もある

会計的な不祥事を企業が起こす場合に一番多くみられるのが、資産と費用の違いを悪用するケースです。利益を多く見せるために、費用として計上するべきものを資産にして隠すのです。資産と費用はどちらも支払うという点で共通し、手続き上も似ていることから悪用する企業が絶えないのです。

経営者は会計上の資産と費用の関係を正しく理解することが大事

会社の一番の目的、それは利益の獲得、お金を得ることです。建物や人件費、家賃など支払いなどは、利益を生む過程で必要なものですし、税金の支払いも事業継続に必要な支出になります。

 

会計上の支出は土地や建物だけではないので、費用との関係を正しく理解することが大切です。

密接な関係にある資産と費用、仕訳のポイント

仕訳に迷いますが、イメージした時に資産のようなものは資産、費用に該当しそうなものは費用で問題ありません。
資産は現金・建物・売掛金、費用は消耗品や仕入高で、借方に書いたら資産と費用は増えると覚えおくといいでしょう。

 - カネの悩み