パワハラは解雇理由になるのか、解雇を匂わすのも危険
2017.10.13
社会問題となっているパワー・ハラスメント、いわゆる「パワハラ」。パワハラが横行している職場環境は問題です。
今すぐ改善する必要がありますが、パワハラを行う問題社員を解雇理由がパワハラだけで解雇できるのでしょうか。また解雇を匂わす行為は問題にならないのでしょうか。
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パワハラを理由に社員を解雇することは可能なのか
部下からパワハラについて相談をされる場合もあるでしょう。パワハラを理由に社員を解雇することは可能なのでしょうか。パワハラ社員を解雇するには?解雇できるパワハラの内容とは?パワハラ社員への対応についてご説明します。
パワハラをする社員を解雇処分にすることは可能なのか
パワハラの判断基準はとても難しく、業務指導の範囲内と捉えられてしまうケースも少なくありません。それは、受け取り方は人それぞれだからです。
解雇処分にすることも難しいため、暴行は停職や減給、暴言は減給や戒告などの処分を行うのが一般的です。
パワハラ社員を解雇するには
解雇するに等しい行為である暴行や傷害があれば、それだけで懲戒解雇にすることはできます。ただそこまで明確なパワハラ行為は実際は少なく、ほとんどは度を超えた叱責など精神的苦痛によるものです。
指導をしても改善されない場合は、パワハラ行為を記録し続けることで懲戒解雇による退職が認められる場合もあります。
パワハラ社員を解雇するのは現実的に難しい
パワハラ行為があるとされる社員の言い分も聞かず、いきなり解雇をするのは避けるべきです。
解雇するには就業規則の事由に該当しなければなりませんし、たとえ該当していたとしても慎重に対応しなければなりません。まずは事実確認をして問題があればそれ相応の処分を下し、それでも改善されなければ解雇を検討するべきです。
実際にパワハラをしたと解雇されてしまった社員の言い分
パワハラ行為が理由で実際に解雇された社員。被害者と名乗る社員は、とにかくだらしなく仕事上のミスも多かったため、その都度注意してきたそうです。
周りに迷惑をかけることも増えたため更に厳しく注意した結果、周りにわざと自分がパワハラをしているように見せるようになり、解雇されてしまいました。
パワハラの境界線、解雇ができるパワハラの内容
パワハラの境界線ですが、暴力はどんな理由にせよパワハラに該当します。物を投げつけるような行為はたとえ水であっても、危険行為としてパワハラに該当します。実際に水をかけて暴行罪で逮捕に至ったケースもあります。
パワハラを解雇理由にしてしまう問題点とは
パワハラを解雇理由にするとどんな問題が起こるのでしょうか。パワハラが解雇理由に当たるケース、解雇理由がパワハラにすると裁判でどんな判決が下されてしまうのかなど、解雇理由がパワハラにしてしまう場合の問題点についてご説明します。
パワハラを解雇理由にするとどんな問題が起こるのか
会社側の調査によってパワハラがあるとわかっても、業務上の嫌がらせ行為は会社の責任として判断されます。パワハラは会社の問題なのです。パワハラを解雇理由にしても、裁判によって解雇が無効になる可能性は十分にあります。
パワハラが解雇理由として認められるケース
パワハラ行為によってすぐに懲戒解雇となるケースは稀で、恐喝や暴行など悪質性のある場合、またはあらゆる措置を講じても改善せずに行為が繰り返される場合は懲戒解雇が認められる可能性はあります。セクハラも同様です。
パワハラを解雇理由にするには客観的な合理的理由が必要
就業規則や職務命令に違反した、またはパワハラによって病気やケガをして仕事が全く出来なくなってしまった、勤務成績が著しく低下したなど、客観的で合理的理由などがないと解雇はできませんし、退職の強要も絶対にしてはいけません。
パワハラを解雇理由にすると裁判で負けてしまう可能性も
パワハラによる解雇の裁判では、パワハラに対して適切な指導をおこなったのかをまず問われます。
「十分な指導もせずにパワハラを理由に解雇するのは不当解雇である」というのが裁判所の考えだからです。パワハラをしないのは当たり前、指導しなくてもわかるはずだ、という考えは通用しません。
パワハラを解雇理由にするのは難しいが証拠集めは重要
パワハラを立証するには証拠が重要になります。スマホの録音機能などを利用してパワハラを行っている様子を録音したり、パワハラをされた日付や内容を記録したものなどを残しておくのも証拠になります。
パワハラが原因でうつ病になった場合も、医師の診断書があるだけで有利になります。
パワハラ社員に対し解雇を匂わす言動を行うのは危険
一番してはいけないのが解雇を匂わす行為です。解雇を匂わすことで、逆に問題社員からパワハラで訴えられる危険性もあります。解雇を匂わす前にできることはあります。会社にとって不利になってしまうことだけは避けましょう。
パワハラ社員へ解雇を匂わすのは最終手段
解雇をする前にやるべきことはあります。パワハラ社員が弁明する機会を与えて適切な指導や処分を行い、それでも改善しないなら問題行為を明確に記録し証拠を十分に揃えておくのです。解雇に踏み切るのはそれからです。
解雇を匂わすと逆にパワハラとなってしまう
問題行動を起こす社員に対して解雇を匂わせてしまうと、反対にパワハラで訴えられる危険性があります。クビだと思わず言ってしまう気持ちもわかりますが、きつい言葉を使うのではなく、具体的な指示や指導を行うことが大切です。
パワハラ社員に解雇を匂わすのは危険。証拠を集め弁護士に相談もあり
過去の出来事ついてはできる限り思い出し、日付や日時、内容をメモとして残しておきます。それ以降はICレコーダーなどを利用して証拠を集めます。確実な証拠がなければ弁護士も動ぎませんし、適切なアドバイスも受けれません。
パワハラ社員へは解雇を匂わすのではなくまずは配置転換を
企業には配置命令権があります。解雇を匂わす前に、まずは配置転換を行いましょう。
それでもパワハラが繰り返されるようであれば、役職を降格させる、減給させるなどの検討をすればいいのです。まずは職場環境を整えることが重要です。
パワハラ社員に解雇を匂わすような言動をしないことが重要
腹が立って「クビだ!」「もう会社にくるな!」など解雇を匂わす言動をしないことが最も重要です。そうした発言を行ったことにより、問題社員から慰謝料を請求される可能性だってあるのです。会社側も不利でしかないので注意しましょう。
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