誰にも聞けない中小企業経営者の叫び

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確定申告で農業所得がある場合の経費や減価償却について

2017.10.1

農業所得がある場合、確定申告はどのようにおこなえばいいのでしょうか?

農業に関する経費とは?どこからどこまでが必要経費となるのでしょうか?

減価償却や自家消費の計算方法を紹介します。

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農業の経費とは?確定申告に関する農業の費用について

農業で確定申告をするときに必要な収支内訳書。この収支内訳書を作成するには経費の計算をしなくてはいけません。

 

農業に関する費用の流れを把握するにはどうしたらいいのでしょうか?

経費を記載するときのポイントとは?

農業で確定申告をするときに経費となるもの①

農業の経費となるものにはどんなものがあるのでしょうか?この経費は収支内訳書を作成するのに必要なものとなります。

 

・雇人費
手間代や作業委託料を支払った場合、雇人費支払内訳表に書く必要があります。氏名・住所の記入がない場合は経費として引くことができません。

 

・小作料や賃借料
地代や農機具の賃借料やライスセンターなどの使用料。

 

・減価償却費
価値が減っていく資産に対して用いる経費。

 

・利子割引料
農業に関する借入金で年間に利子の支払い分。借入金の元金は経費にはなりません。

農業で確定申告をするときに経費となるもの②

・租税公課
税込経理方式による消費税納付額、事業税、農業用の建物や土地の固定資産税、不動産取得税、農業車両の自動車税・重量税、印紙税。

 

・種苗費
種子や苗、種いも、種もみなどの購入費用。

 

・肥料費
肥料を購入した費用。

 

・農具費
取得価額が10万円未満の農機具や農作業に使う道具。10万円以上のものは減価償却資産となります。

 

・農薬衛生費
農薬を購入した費用や無人ヘリコプターなどの共同防除の負担金など。

 

・諸材料費
農畜産物の生産に直接必要となるもの。ビニール、わら、縄、支柱、おがくず、鉢、土などの購入費

 

・修繕費
農業機械、車両、作業場、倉庫、畜舎などの修理にかかる費用。ビニールハウスのビニールの張り替えなどが該当します。

 

・動力光熱費
農業にかかる光熱費。水道料・電気料・燃料代・ガソリン代など。農業用と生活用が一緒になっている場合は、それぞれ年間の金額を算出し農業に使用した割合で按分します。

 

・作業用衣料費
農業作業に必要な服や靴代

 

・農業共済掛金
水稲・家畜・温室等の共済掛金や農業用資産に対する火災保険料。農業用車両の保険料や野菜・飼料・卵価等の価格安定制度の掛金など。

 

・荷造運賃手数料
農作物など生産物の販売に必要な袋、箱、ダンボール、ひもの購入費。市場手数料、農協手数料、運送費なども該当します。

 

・土地改良費
水田・畑等の区画整理や土地基盤整備事業等の土地改良に係る負担金など。

 

・雑費
他の費用に該当しない農業に関して支払った費用。

確定申告で農業にかかった費用をきちんと経費として計上するには?

農業は、日照りや台風などのような天候条件によって収入が変わってきます。必要経費などを正しく計上し、わかりやすい帳簿を残しておくことが大切です。記載するときのポイントはできるだけ農業所得を上げるための費用の流れがわかるようにしておくことです。

 

農作物の収穫価額を記載するときには、収穫の年月日・農産物の種類・数量を書きましょう。

農作物の収穫価額以外の費用についてはそれぞれ経費の項目に分け、取引の年月日・事由・支払先・金額を書いておきましょう。

 

費用が少額の場合は、1日単位で項目ごとの合計金額で計算することができます。

農業の確定申告は収支内訳表の作成が必要!

農業収入のある人は、収支内訳表を作成し申告書と一緒に提出しなくてはいけません。

このときには、実際の収入金額から必要経費を差し引いて農業所得額を算出する収支計算を使って申告します。

収支金額から必要経費を引いたものが所得金額となります。

 

毎年、1月1日から12月31日までの、農業に関する取引を記帳する必要があるので出荷伝票や振込通知書などの収入金額のわかる書類や請求書などの支払額のわかる書類などを保存しておきましょう。

1年が終わったとき、費目別に分け集計をしておくと収支内訳表の作成がスムーズにできます。

確定申告に必要な収支内訳表の書き方とは?

農業所得用の収支内訳書1ページ目に、収入や経費に関する金額を記入しましょう。
家事消費した分を家事消費金額として収入金額に含める必要があります。

 

2ページ目には、販売した農産物を書きますが露地栽培と温室やビニールハウスで栽培したものかで分けて書きましょう。

農機具は減価償却費を計上する必要があります。

 

農業所得用の収支内訳書は国税庁ホームページからも作成することができます。

確定申告のポイントとなる農業の減価償却費

農業を営む上で、自動車や草刈り機、耕耘機などさまざまな農耕機具を購入するかと思います。

 

このときに発生する、減価償却とはいったいどんなものなのでしょうか?

減価償却の仕組みや計算方法、耐用年数などを紹介します。

農業の確定申告の経費計算で必要となる減価償却費とは?

減価償却とは、毎年使用することによって価値が減少していく建物・機械・車両・備品などの資産の減少分を計算し、必要経費として計上することをいいます。

 

農業で使用している機械、車両、運搬具、建物、構築物などがあてはまり、使用できる期間が1年以上のもので取得価格が10万円以上の資産が減価償却の対象となります。

 

建物、建物付属設備、構築物、機械及び装置、車輛及び運搬具、工具、器具及び備品は 有形減価償却資産となり、水利権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、営業権、水道施設利用権、ソフトウェアなどは無形減価償却資産となります。

 

土地、借地権のように減耗しない資産や棚卸資産、今現在稼働していない資産、建設または製作中の資産、一括償却資産の必要経費算入をしていて取得価額が20万円未満のものは減価償却の対象となりません。

農業の確定申告減価償却資産の期間やその後は?

自動車や草刈り機、耕耘機などの農耕機具は減価償却資産に該当しますが法律で決められた期間は経費となります。

 

トラクターなどの農業用設備が費用となる期間は7年間ですが軽トラックや小型自動車はは4年間になり、ダンプ式を除く貨物自動車は5年となります。

 

農業用資産の耐用年数後からも今までと同じように維持費や修理費などは費用として処理することができます。

農業で確定申告をする場合の減価償却の計算

毎年1月1日から12月31日までの1年間に、農業で収入等がある場合は申告をする必要がありますが、自家用のお米や野菜を作るような事業ではない農業については申告の必要はありません。

 

農業用の減価償却できる資産の計算は以下の通りになります。

 

各年の償却費=取得価額÷(耐用年数)×(使用月数/12ヶ月)

減価償却費の累積額を控除した金額は最終的に1円残ります。

農業で使用するビニールハウスの耐用年数とは?

ビニールハウスの耐用年数については、構築物もしくは器具及び備品となるのかや金属造、木造によって耐用年数が違います。

 

金属造のものは14年、木造のものは5年、その他のものは8年となっています。

構築物で金属造の場合は、耐用年数が14年となります。

 

中古資産を購入し、耐用年数が過ぎているものに対しては原則の耐用年数✕20%で処理をします。

耐用年数の一部が消化された中古資産であれば、原則の耐用年数-経過年数+経過年数×20%で耐用年数を算出しましょう。

減価償却費と同じ考えとなる未収穫の農産物の費用

農業は、収穫をしたからといってすぐに収入となるわけではありません。出荷までに期間を要するので、収入となる期間を考慮し月末に経費を整理することができます。

 

収穫や成熟するまで関係する費用を累積したものを、収穫または成熟した年に累積額を減価償却します。

 

減価償却費と同じように、10万円未満である場合は一括で必要経費として算入され、20万円未満の場合は、白色申告でも一括償却または3年での均等償却かを選ぶことができます。

確定申告で記載が必要?農業の自家消費について

農業で収穫した作物を自家消費した場合は、収支内訳書に記載が必要なのでしょうか?

 

だいたいの金額ではなく、相場で計算となる家事消費の計算方法とは?

農業所得に関係のある自家消費について紹介します。

農業の確定申告は自家消費した場合も必要か?

家族で食べる自家消費したものや、親戚や知人にあげたものは家事消費分となり税法上、収穫した時点で所得が発生したことになります。

 

このため、農業所得として申告が必要ですが農産物を全く出荷や販売をせずに全量家事消費している農家の人については確定申告又は市・県民税の申告のときに農業収入のみを計上し、農業所得は0円として申告できます。

 

農業所得が赤字の場合は、収支内訳書を作成しマイナス申告をすることで損益通算ができます。

農業で販売をしていない場合の確定申告自家消費の計算方法

自家消費したものや親戚に配るなどした農作物の家事消費分の金額はどのように計算したらいいのでしょか?

家事消費分は、相場の金額で換算し計算します。消費した農産物の量を売った場合はどのくらいの金額となるかによって計算しましょう。

 

市場や農協などの単価×家事消費の数量

お米の場合は、玄米の数量で計算となります。

 

お給料の代わりに農作物を渡したり、取れた農作物で食事を提供した場合は事業消費となります。
事業で使った作物を価格に計算しなおしたものが、事業消費金額になります。

農業で販売をしている場合の確定申告自家消費の計算方法

農家が農産物を家事などのために消費したり、人にあげたものは家事消費とりますが、収穫時の生産者販売価額で計算をして収入金額にする必要があります。

 

販売農家が確定申告をする場合

(農産物の販売金額ー出荷に掛かった経費)÷販売数量×家事消費等の数量となります。

農業の確定申告は青色申告がおすすめ

収支計算で申告をする人は、いろいろなメリットのある青色申告がおすすめです。

 

記帳することによって一定の控除ができる青色申告特別控除や家族従業員に支払った給与を必要経費にできる青色事業専従者給与、農業所得が損失した場合翌年度以降3年間繰り越して損失額を差し引くことができる純損失の繰越控除などを受けることができます。

農業の確定申告のために必要な記帳や帳簿の保存について

農業者は、農業収支を記帳し帳簿を保存することが義務付けられています。記帳は、取引年月日や売上・仕入れ先などの相手方の名称、日々の売上、仕入れ、経費の金額を記載します。

 

このように、収入金額や仕入れ、経費などを記帳した帳簿や取引上の請求書や領収書などは保存しておく必要があります。

 

収入金額や必要経費を記載した法定帳簿の保存期間は7年間となり、業務に関して作成した法定帳簿以外の任意帳簿の保存期間は5年となります。

 

棚卸表や請求書、納品書、領収書などの書類に関しての保存期間も5年となります。

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