確定申告で損失申告を行う場合の注意点について解説します
2017.10.16
個人事業主として会社を経営していく上で、赤字となる年度もあることでしょう。
損失が出た場合は確定申告で損失申告を行うことができますが、白色申告と青色申告では条件が違うと言われています。
白色申告でも損失申告は可能なのでしょうか?fxや株で損失が出た場合の申告方法とは?
確定申告で損失申告を行う場合の条件や必要書類、その書き方まで詳しく説明します。
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確定申告の損失申告の繰越控除について
会社を経営していく上で損失が発生した場合、確定申告で損失申告を行うことができますが条件はどうなっているのでしょうか?
白色申告の場合は制限はあるのでしょうか?株の損失の場合はどうなのでしょうか?
確定申告で損失申告を行う場合の繰越控除について考えてみましょう。
確定申告の損失申告・・・白色と青色では繰越の範囲が違います
損益通算をしても全て控除することができず損失が発生した場合に「損失申告」を行いますが、白色申告の場合は制限があります。
白色申告の場合に繰越することができるのは、漁獲や採取などの変動する所得や災害等の場合の損失と限定的になっています。
しかし、青色申告の場合は白色申告のような制限ななく、損失申告をすれば基本的に繰越繰越をすることができます。
確定申告で株の損失申告を行う場合の繰越について
株の損益通算は、「譲渡益+譲渡益」の場合でも「譲渡益+配当金」の場合でもできるようになっています。
損益通算をしても損失がある場合、繰越することで翌年利益が出た場合にその利益から損失分を差し引きすることができます。この損失は3年間繰越することができます。
確定申告で株の損失申告の繰越を行う場合の注意点
株は損益通算することにより、3年間繰越することができますが、損失が出た一番古い年度の金額から控除します。3年以上経ってしまうと、その損失分は消えてしまうので注意しましょう。
ちなみにNISAの損失分については、繰越控除の適用とはなりません。
個人事業者の確定申告で、後日損失の繰越控除はできる?
損失が出た年に故意にではなく確定申告を行わなかった場合、期限後申告を行えば繰越控除を行うことができます。
その場合は、損失申告用の用紙も一緒に提出しましょう。
しかし、繰越控除の適用を受けることができるのは、青色申告の要件を満たしていることが条件です。
自宅を売却して赤字になった場合も確定申告で繰越可能?
マイホームを売却したものの、売った時の値段が買った時の値段より低くなって赤字となってしまう場合もあるでしょう。
マイホームを売却したことの赤字分も、買い替えをした、又は住宅ロ-ンがまだ残っていたという場合は、事業所得等から差し引きすることができます。
もし、それでも赤字であれば、翌年以降に繰越することができます。
確定申告で損失申告を行う場合の書類の書き方について
個人事業主が確定申告で初めて損失申告を行う場合、どんな書類が必要になるのでしょうか?
書類の書き方がわからない・・・そんな時に参考になるサイトとは?
確定申告で損失申告を行う場合の必要書類や書き方のポイントについて説明します。
損失申告を行う場合に必要な確定申告書の種類と書き方について
確定申告で損失申告を行う場合、「申告書B(第一表と第二表)」「申告書第四表(損失申告用)」を提出します。
第四表の「A経常所得」欄には、申告書B第一表の「所得金額」の①~⑦の合計額を記載します。
「B譲渡・一時」欄については、土地建物等の譲渡所得、総合課税の譲渡所得や一時所得がある場合に記載する必要があります。
確定申告書の詳しい書き方等が知りたい場合は国税庁のホームページの「確定申告に関する手引き等」を見てみましょう。株式等の譲渡所得等の申告方法や先物取引にかかる雑所得などについても詳しく書かれています。
確定申告でFXの損失申告を行う場合の書き方のポイント
初めて損失の申告を行う場合は、手書きで書いてみましょう。書類は「確定申告書B」「申告書第三表」「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」「所得税の確定申告書付表」が必要になります。
まず「確定申告書B」の第一表に所得、控除を記入します。そして所得とFXの所得税額を計算して記入します。
「申告書第三表」にはFXの収入と所得、全体の税額を記入します。
「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」には、FXにおける利益や手数料などの詳細を記入します。
「所得税の確定申告書付表」には、FXの赤字の詳細について記入します。
青色申告の確定申告の損失申告・・・控除の書き方について
事業所得と不動産所得、2つの所得がある場合は各所得の合計金額に対して65万円まで控除されることになります。
事業所得が赤字で不動産所得が黒字の場合、赤字の部分は所得が0円となるため、不動産所得から65万円が控除されることになります。
ここで注意しなければいけないのは、不動産所得で65万円の控除が受けることができるのは事業的規模の場合ということです。それ以外は10万円控除となります。
個人事業主に必要な確定申告書Bの書き方について
〇税務署名・日付
税務署長の前の空欄には、確定申告書を提出する管轄の税務署の名前を記入します。
日付は和暦(平成など)で提出日を記入します。
〇住所
個人事業主の自宅住所又は事業所の住所を記入します。当てはまる場所を丸で囲みます。
〇職業
職業名(ライター業、食品卸売業など)を記入します。
〇個人番号
個人事業主本人の12桁のマイナンバーを記入します。
確定申告でFXの損失報告を行う場合の必要書類について
1月1日から12月31日までの期間でFXにより損失が出た場合に必要な書類は「確定申告書B(第一表、第二表)」「申告書第三表(分離課税用)」「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」となっています。
申告書には年間取引報告書を添付します。
確定申告の損失申告・・・fxの場合について
株取引同様、fx取引で損失を申告することにより、繰越して利益分と相殺することができるようになりましたが、どんな点に注意すればよいのでしょうか?
fxで必要経費として認められているものとは?損失繰越控除を行うことで出る影響とは?
確定申告でfxの損失申告を行う場合のポイントについて説明します。
確定申告でfxの損失申告をする場合の注意点
税制改正によってfxでも確定申告で損失申告をすることが可能となりました。
fxで一定額の利益が出た場合には確定申告を行い、納税ししなくてはいけませんが、損失が出た場合でも確定申告を行うことで、翌年以降の利益から繰越した損失分を差し引きすることができるのです。
ただし、損失を繰越した場合は、たとえ翌年にfxで取引を行っていなくても確定申告をしなくてはいけません。
fxの損失申告・・・確定申告で必要経費として認められるものは?
確定申告を行う場合、fx取引手数料や資金を入金する時にかかった振込手数料等は、必要経費として認められるかもしれません。
ただし、取引に利用するとはいえパソコン代や通信費用については税務署によっても取り扱いが違っているようです。
書類を作成する前に、税務署または税理士に確認するようにしましょう。
確定申告でfxの損失申告を故意の忘れた場合について
万が一故意的にfxや株取引の損失申告をしなかった場合、罰則に触れる可能性もあります。
申告書を故意に不提出した場合の罰則は「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」となっています。
そのため損失を出した場合は、必ず損失繰越の手続きを行っておいた方が良いという意見が多いようです。
確定申告で繰越控除制度を利用すれば、住民税に影響が出る場合も
損失が出た場合に、繰越控除制度を利用することで所得税の納税額を減らすことができますが、住民税の金額にも影響が出るかもしれません。
fxで出た利益に対して住民税が課せられることになりますが、繰越控除制度を利用すれば所得金額を減らすことができます。そしてそれが住民税の金額を減らすことにもなるのです。
事業としてのfx取引は事業所得になる可能性も
fx取引をしている自営業・自由業の人は、fxを含め基礎控除となる38万円を超える所得がある場合に確定申告が必要となります。
また、fx取引を事業として行っている場合については、利益が「雑所得」ではなく「事業所得」となる可能性もあるようです。
詳細については税務署で確認するようにしましょう。
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