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確定申告を行うことで、株式損失分を減らすことが可能です

2017.10.6

株取引をしていると、利益が出た年もあればマイナスの年もあるでしょう。複数の証券会社で取引しているのであれば、ある会社の口座がプラスで別の会社ではマイナスということもあるのではないでしょうか?

株式損失分は確定申告をすることによって利益分と相殺することができ、さらに翌年以降に繰越することもできます。

そのための必要書類から期限後申告まで、株式損失の確定申告を行う場合に必要な情報をお届けします。

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この記事の目次

 

確定申告を株式損失で行う場合に必要な書類について解説!

株取引の口座には特定口座と一般口座がありますが、株式損失の確定申告を行う場合にはどんな書類が必要なのでしょうか?

 

一般口座を利用している場合は「年間取引報告書」を自分で作成しなくてはいけませんが、提出は義務化されているのでしょうか?

 

株式損失の確定申告を行う場合に必要な書類について詳しく説明します。

株式損失の確定申告①複数の証券会社の特定口座を利用している場合の必要書類

数社の証券会社の源泉徴収あり特定口座を利用していて株式損失があった場合について考えてみましょう。

 

例えばA証券会社で利益が出ていてもB証券会社で損失が出ている場合、同じ証券会社ではないため自動処理はされません。その場合、確定申告を行うことでA証券会社で源泉徴収された税金を取り戻すことができます。

 

このように損益通算の確定申告を行う場合に必要な書類は「確定申告書B」「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」「A及びB証券会社の特定口座年間取引報告書」です。

株式損失の確定申告②特定口座で利益が出たけど、一般口座で損失が出た場合の必要書類

今度は源泉徴収あり特定口座で利益が出たものの、他の特定口座や一般口座で損失があった場合について説明します。

特定口座の利益と他の口座の損失は、確定申告で合算して申告すれば源泉徴収された税金の還付を受けることができます。

 

この場合も特定口座年間取引報告書が必要ですが、ネットの証券会社で発行している電子報告書は確定申告に利用することはできないので、注意しましょう。

株式損失の確定申告③一般口座の場合に必要な添付書類は?

一般口座を利用していて株式損失の確定申告を行う場合、年間取引報告書の提出の義務はありません。

 

しかし、確定申告の時に税務署から説明するように言われた場合には、取引残高報告書や年間取引報告書などを見ながら説明しなくてはいけないでしょう。そのためにも、事前に用意しておいた方が便利です。

一般口座の株式損失の確定申告には情報収集が必要

複数の証券会社の一般口座を利用している場合、それぞれの証券会社ごとにまずは情報を集めておきましょう。

 

確定申告には「譲渡による収入金額(株を売却した時の合計金額)」「取得費および譲渡に要した費用の額等取得費(株の購入金額+購入時にかかった手数料+売却した時の手数料」の情報が必要になります。

その情報に基づいて、自分で年間取引報告書を作成しておきましょう。

特定口座年間取引報告書はいつ送付されるのでしょう?

「特定口座年間取引報告書」には1年間の投資結果を集計したものが記載されています。年間の買い付けや手数料を含めた売却、そして損益などが書かれています。

 

取引した翌年の1月上旬~中旬頃になると、特定口座を開設している証券会社などから送付されてきます。

確定申告の株式損失は期限後に行うことも可能です

株取引で損失が出た場合は基本的に確定申告不要となりますが、もし他の口座で利益が出ている場合は損益通算のために申告した方が良いケースもあります。

 

しかし、確定申告の期限が過ぎてしまっていた場合はどうなるのしょうか?

株式損失の確定申告の期限について説明します。

株式損失の確定申告は期限が過ぎても可能です

株取引をしていて損失が出た場合、その損失が出た年だけではなくその年の翌年から3年間利益と相殺することができる制度があります。それが「譲渡損失の損益通算および繰越控除」です。

この制度は条件によっては確定申告期限後に行うことも可能なので、しっかりと理解しておきましょう。

確定申告の株式損失の期限後申告を行う場合の注意点

「期限後申告」は、確定申告期間中に確定申告ができなかった場合に利用できる制度ですが、株式で利益が出ていた場合はペナルティとして延滞税などが加算される可能性もあります。

 

しかし、株式損失の場合は前年の損失分を繰越できるメリットもあるのですが、注意点があります。それは、株の確定申告はしていないものの医療費控除などですでに確定申告を行っている場合には期限後申告ができないことです。すでに申告内容が確定となっているためです。

期限までに確定申告書を提出したものの、株式損失の計算に誤りがあった場合は?

確定申告の期限中に申告書の提出は済ませているが、株式損失の計算が間違っていたり、一般口座の分を申告しておらず損失の金額が少なかった場合は、「更生の請求」ができることとなっています。

 

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用することもできますが、条件が掲載されているので確認しましょう。

源泉徴収あり特定口座の株式損失でも、確定申告を行えば繰越可能です

源泉徴収あり特定口座はを利用している場合は、証券会社が源泉徴収をしてくれるので確定申告の必要はありません。

また、損失を出した場合でも証券会社が損益通算をしてくれます。

 

しかし、確定申告を行うという選択肢もあります。「譲渡損失の損益通算および繰越控除」をする場合には必要になります。

株式損失の確定申告を忘れた場合は「更生の請求」をすることが可能です

株式で損失が出た年に医療費控除の確定申告は行ったものの、肝心の株式損失の申告をしなかった場合は「更生の請求」をすることができます。

 

しかし、この「更生の請求」は源泉徴収ありの特定口座を利用している場合は利用できないので、注意しましょう。

確定申告すれば、株式損失の繰越控除ができます

株式損失分は損益通算・繰越控除を行うことができますが、確定申告を4年間続けなくてはいけないことになります。

 

では、確定申告をすることでどのくらい税金は戻ってくるのでしょうか?

株式損失の損益通算・繰越控除の具体例を見てみましょう。

確定申告における株式損失の損益通算と繰越控除について

株式損失が出た場合の「譲渡損失の損益通算および繰越控除」についての例を見てみましょう。

 

A証券会社とB証券会社にそれぞれ1つずつ口座を持っているとします。

 

ある年の投資結果が

A証券会社の口座:50万円の利益
B証券会社の口座:50万円の損失

だったとしても相殺すれば0円になるので、確定申告をすれば税金はかからないことになります。

 

そして「譲渡損失の損益通算および繰越控除」は、譲渡損と配当金の相殺でも使えます。

また、損益を相殺してもマイナスの場合には、3年間その損失の繰越控除を行うことができます。

確定申告で株式損失の繰越控除を行えば節税対策になりますか?

株式損失の繰越控除によって、課税対象額はどうなるのでしょうか?

 

《例》

2015年に30万円の損失が出たが、2016年は50万円の利益が出た場合

 

もし繰越控除をしていなかったら、2016年の課税対象額は50万円になりますが、繰越控除を行っていた場合は損益通算を行うことによって課税対象額が20万円となります。

確定申告書の作成が面倒でも株式損失の繰越を行うべきですか?

株式損失の繰越を行うためには、必ず確定申告をしなくてはいけません。確定申告は、損失があった年度を含めて4年間続ける必要があります。

 

復興特別所得税を除いて考えると、税金分として「利益の20%」が得することにはなりますが、1万円の損失があった場合で考えると2,000円にしかなりません。

確定申告の書類作成の手間等を考えて検討した方が良い場合もあります。

確定申告で必要経費が認められれば、税金が戻りますか?

源泉徴収あり特定口座を利用している場合は確定申告を行う必要はありませんが、株取引にかかった経費を一緒に申告することで税金が還付される可能性があります。

 

ただし、あくまでも株取引にかかった経費しか確定申告では認めてもえらえません。

株取引に必要である、もしくは使用したものに限られますが、パソコンを利用した株取引を行っているのであればパソコン本体やセキュリティーソフトの代金等も含めることができます。

税務署は個人投資家を見張っているのでしょうか?

株式投資などの資産運用をしている人にとって、一番気になるのは税務署の動向なのではないでしょうか?

個人の資産運用に関していったい税務署はどこまで把握しているのでしょうか?

 

確定申告漏れや課税漏れを見つけるため、税務署ではいろいろな情報を集めています。その代表が「法定調書」と言われるものです。この調書は50種類以上あり、特定口座年間取引報告書や国外送金等調書なども含まれています。

税務署はしっかりと目を光らせています。申告漏れがないように注意しましょう。

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