「法人税の中間申告」その方法の種類や納付期限について解説!
2017.9.25
中間申告の必要がある法人税。株式会社などの普通法人が対象となっていますが、中間申告書の提出は義務付けられていません。
では、中間申告にはどんな方法があるのでしょうか?それぞれどんな特徴を持っているのでしょうか?
法人税の中間申告の種類や納付期限、送付されてくる納付書、さらに仕訳に関することまで詳しく説明します。
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法人税の中間申告の納付期限について説明します!
法人税には中間申告の必要がありますが、その期限は各法人の事業年度開始日によって違います。
日本の法人の場合は3月に決算を行う会社が多いですが、その場合の法人税の中間申告の納付期限はいつまでなのでしょうか?
法人税の中間申告書の提出・納付期限について詳しく説明します。
中間申告が必要な法人税の納付期限とは?
法人税は、事業年度開始後6カ月を経過した日~2カ月以内に中間申告書を提出する必要があります(免除される法人以外)。そして、その中間申告書に記載した税額を納付することとなっています。
《例》3月決算の会社
中間決算日→9月末
中間申告書の提出及び納付期限→11月末
法人税の中間申告の義務があるのに、期限までに申告しなかった場合は?
中間申告書を提出する義務があるのにもかかわらず行わなかった場合、前年度の実績による額で申告があったものとみなし(みなし申告)、その額を納付しなくてはいけません。
その場合の法人税額は、全事業年度の納付法人税額の二分の一になります。
直前の法人税の年税額が20万円を超える場合は、確定申告と中間申告合計2回納付する必要があります。
法人税の中間申告・・・どの方法を選んでも納付期限は同じ?
中間申告の方法には、みなし申告以外に予定申告と仮決算があります。
例:事業年度開始日が4月1日の会社の前年の法人税額が200万円、4月1日~9月30日までの仮決算による計算納税額が80万円
〇前年度の実績に基づく予定申告を選んだ場合→100万円
〇仮決算を選んだ場合:80万円
〇みなし申告:100万円
どの方法を選んだ場合でも、中間申告書及び納付期限は同じ11月30日です。
法人税の中間申告を免除されている法人とは?
●初年度の会社
合併以外で設立された法人については、最初の事業年度の中間申告は必要はありません。
●前年度の法人税の納税額が20万以下の法人
前年実績による中間申告の納付金額が10万円以下の場合は中間申告の必要はありません。
●NPO法人
法人税の中間申告が必要なのは、普通法人(株式会社や特例有限会社)となっています。
法人税の中間申告を予定申告で行う場合の注意点!
中間申告を予定申告で行う場合は、前事業年度の法人税の二分の一の金額となりますが、計算方法は以下のようになります。
《例》前事業年度の確定法人税額が100万円だった場合
1,000,000÷12×6=499,998円となり、100円未満の端数は切り捨てとなるため、499,900円となります。
法人税の中間申告書と納付書が送付される場合や時期について解説!
法人税の中間申告が必要な会社には、税務署等から中間申告書と納付書が送付されてきます。
では、その時期はいつなのでしょうか?確定申告を電子申告で行った場合はどうなるのでしょうか?
法人税の中間申告書及び納付書の送付時期等について詳しく説明します。
法人税の中間申告書と納付書はいつどこから届くのでしょう?
中間申告書と納付書は決算日の約7カ月後に送付されるようになっています。
本店所在地が東京23区内の場合は税務署及び都税事務所から、そしてそれ以外の場合は税務署、県税事務所又は市役所から書類が届くようになっています。
前年度の法人税の確定申告を電子申告で行うと、中間申告の納付書は送付されません
前事業年度の法人税の確定申告書を電子申告(e-Tax)で提出した場合は、中間申告書と納付書は送付されないことになっています。
「メッセージボックス」に中間申告に関するお知らせが送信されてくるので、注意しましょう。
法人税の中間申告の必要がない法人には納付書自体が送付されません
中間申告が必要がない法人に対しては、納付書自体が送付されないことになっています。
そのため、先ほど述べたNPO法人や前年度の法人税額が20万以下(前年の確定法人税額÷前事業年度の月数×6=10万円以下)の法人に対しても納付書は送られてきません。
営業所が多い会社の法人税の中間申告は「みなし申告」にしましょう
税務署等から送付されてくる法人税の中間申告書は、金額がすでに印字されていることが多くなっています。
そのため、計算する必要はあありませんが、営業所が多い会社であれば中間申告書を数十か所にも送らなくてはいけません。そんな場合は「みなし申告」をした方が切手代を節約することができます。
ただし、延滞税がかからないよう納付期限には注意しましょう。
法人税と地方税の中間申告は連動しています
実は、法人税の中間申告と地方税である住民税や事業税の中間申告は連動しています。
そのため、法人税の中間申告の必要がない場合は、地方税の中間申告も不要となります。
しかし、消費税の中間申告は法人税と連動していないので、必要であれば別に中間申告をしなくてはいけません。
法人税の中間申告で納付した時の仕訳方法について
中間申告で法人税を納付した時、会計上の処理はどのように行えばよいのでしょうか?
仕訳する時の勘定科目とは?期末決算時に法人税の金額が確定した時の処理方法は?
法人税の中間申告時と期末決算時の仕訳方法について説明します。
法人税を中間申告で納付した場合の仕訳の考え方とは?
法人税等(法人税・住民税・事業税)の中間申告は、年に1回となっています。
その仕訳をする場合の勘定科目は「仮払法人税等」になります。
基本的には期末の時点では未払となることが多くなります。そのため、未払い分を先に支払ったという認識になり、一般的に未払法人税等のマイナスとして処理します。
法人税の中間申告の仕訳例(当座預金の場合)をご紹介します
《法人税等の中間申告納付時の仕訳》
借方 金額 貸方 金額
仮払法人税等 1,000,000 当座預金 1,000,000
●期末決算時
借方 金額 貸方 金額
法人税等 2,100,000 仮払法人税等 1,000,000
空欄 空欄 未払法人税等 1,100,000
●翌朝の納付時
借方 金額 貸方 金額
未払法人税等 1,100,000 当座預金 1,000,000
法人税の中間申告の仕訳(現金の場合)について詳しく説明します
上記と同じ金額の法人税等を現金で納付した場合は、貸方欄が当座預金→現金となります。
期末決算時に法人税額が決定し、翌朝現金で納付する場合も貸方欄が「現金」となります。
期末決算時の貸方欄の考え方は、当期の法人税額2,100,000円のうち1,000,000円は中間申告で納付済みなので「仮払法人税等 1,000,000」と仕訳されます。残りの1,100,000円がまだ納めていないので「未払法人税等 1,100,000」となるのです。
所得税にも法人税のような中間申告の必要があるのでしょうか?
所得税の場合は、法人税のような中間申告はありません。
しかし「予定納税」があります。これはその年の5月15日現在で確定している前年度分の所得金額や税額などを基に計算した金額が
15万円以上である場合に、その年の所得税の一部を予め納付するというものです。
予定納税が必要な人には、その年の6月15日までに税務署から通知書が届くようになっています。
起業して2年目・・・今年度の前半が赤字なら法人税は0円?
起業したばかりの1年目は順調だったけど、2年目の前半が赤字確実という場合は、中間申告を仮決算で行いましょう。
仮決算では、その年の6カ月を1事業年度とみなして法人税を計算します。そのため、その6カ月が赤字であれば、中間申告で法人税額は0円となります。
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